シュレッダーの代わりにかわいいやぎをイッピキ置こうよ

陽射しが柔らかくなったね。まだ肌寒い風の匂いが春の手前の匂い。ぽかぽかでふわふわです。

そんな風にのって私の耳に舞い込んでくるお話。いいお話も悪いお話も。ふと、悪魔のようなお話が飛びこんで、私は道端で崩れ落ちました。頭のなかで高い立派な塔がドロドロと溶けていってた。

一通り溶けていったそのドロドロを呆然と立ち尽くして見ていたけど、数分後に、急に目が覚めて、作り直さなくちゃって思った。

前と形は違ってもいいの。立派なものなんて望まない。愛らしくて、いい色で、柔らかい光を放つもの。それだけあればへんてこな飾りなんて要らない。

今までの光や色が違っていたなら、露出補正をしたらいいんだよ。そしていいものを作っていけば。そう思っていれば。


雑居ビルの隙間の、汚水まみれの日陰でなんて死にたくはない。死ぬならば、フカフカのモノにくるれて死にたいの。



露出補正と四面楚歌と天真爛漫。もうひとつはまた後で思い浮かぶよ。

桜が咲いたら、体中で感じるんだ。空想でもなく、妄想でもない、噂でもない、その桜を手に取って感じるの。ああ、素敵だなって。